Q&A

土地に関する質問

土地分筆登記等の報酬はどのくらい?
土地の分筆、地積更正などの登記は地図の状況や現場によってかなり違ってきます。
単に面積が広い狭いというだけでは判断できません。詳しくは、お近くの土地家屋調査士にお気軽にご相談下さい。

基本的な業務の流れは次のようになっています。

【資料調査】
法務局、役場等の事前調査です。これが重要な基礎となる部分です。

【境界確認】
隣接人(官・民)の調査や立会の段取り、現場での境界立会、杭打ち等を行います。

【土地測量】
決まった境界の測量や、分筆する土地の算出、復元測量、分筆点の境界杭打ち等を行います。

【境界協定書等書類の作成】
境界協定書(民々境界及び官民境界)、現地調査書等各種必要書類の作成を行います。

【登記申請】
分筆図面や各種登記申請書を作成し、法務局に代理申請します。
土地の「表示に関する登記」とは?
土地の「表示に関する登記」とは、その土地の所在・地番・地目(用途)・地 積(面積)など、正確な現在の状況を公の帳簿(登記簿)に公示する登記のことをいい、土地家屋調査士だけが業務とすることができます。具体例をあげてみますと…

(1)土地の払下げを受けたとき  未登記の道路や水路等払下げ申請をして自分のものになったとき、1ヶ月内に「表題登記」の申請をします。
(2)一筆の土地を数筆にしたい  調査・測量して一筆の土地を数筆に分割する「分筆登記」を申請します。
(3) 数筆の土地を一筆にしたい  分筆登記とは逆に、数筆の土地を一筆の土地にまとめたい時、「合筆登記」の申請をします。
(4) 今までの土地の使い方を変えた  山林や農地等であったところに家を建て宅地にした時、つまり土地の用途を変更した時等は、1ヶ月内に「地目変更登記」の申請をしなければなりません。
(5) 公簿面積と実測面積が違う  登記簿に記載されている面積(公簿面積)と、実際測量した面積(実測面積)が違っている場合に「地積更正登記」の申請をします。
(6)法務局の地図・公図が違う  法務局に備え付けてある地図や、公図に誤りがあるときは「地図訂正」の申出をします。
(7) 境界が分からないとき  登記には直接関係ありませんが、境界杭を亡失した場合、または初めから無い場合は、いろいろな資料に基づいて調査し、隣接地所有者に立会い、確認を得て境界標を設置します。
境界標とは?
土地の境界が明確でない場合、隣接する土地の所有者との間で紛争が起こることがよくあります。自分の所有する土地の範囲を、おおよそ知っているだけでは不十分で、世代がかわってしまうと全くわからなくなってしまうこともよくあります。大切な財産を管理するためには、境界点に不動の永久標識を設置して維持管理することが大切です。これが『境界標』です。

(1)コンクリート杭 一般的に永久性のある杭として最も多く使用されています。
(2)金属杭 コンクリート杭と同じく永久性があります。
(3)プラスチック杭 加工が簡単なため材質、形状に様々な工夫がなされ、市場にたくさん出回っています。
(4)金属鋲、金属プレート 現地にコンクリート構造物があり、杭の設置が困難な場合に使用されます。
(5)木杭 簡単で安価ですが、腐敗が早く永久性に欠けるので、仮杭程度に使用します。

この他に法律知識として、
・土地の所有者は、隣接の所有者と共同費用で、境界標の設置をすることができる。(民法第223条)
・境界標の設置及び保存の費用は、隣接の所有者と等分して負担する。但し、測量の費用は、それぞれの土地の広さに応じて分担する。(民法第224条)
・境界標を損壊、移動もしくは除去した者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処す。(刑法第262条ノ2)

などがありますが、費用等に関しては、ケースバイケースですので、詳しいことはお近くの土地家屋調査士に御相談ください。
境界杭がなくなった場合には?
ほとんどの境界紛争は境界不明が原因です。つまり、所有者が大切な財産である土地を守る境界標(杭)を設置していなかったか、設置した境界標を自己管理せず、亡失して不明になったことが主な原因です。

土地は、不動産といわれるように動くことがなく、一度設置した境界杭は永久なものと思われがちですが、最近の目まぐるしい社会情勢により土地の利用形態は常に変化しています。隣地が農地や空き地であっても、数ヶ月後には造成工事がされ住宅やマンションが建てられることも珍しくありません。 設置した境界標は、人まかせにせず数ヵ月に1回、現地に行くなどして、しっかりと自己管理する必要があります。

また、設置した境界杭の材質はどんなものだったのでしょうか?もし、木杭なら腐敗が早く永久性に欠けるので亡失する可能性があります。 境界標はコンクリート杭や金属標など堅固で永続性のあるものを設置されることをお勧めします。 無くなってしまった境界杭を再度設置するためには、利害関係のある隣接所有者と立会確認する必要があります。 この場合事前に、境界の調査・測量の専門家である土地家屋調査士に相談されることをお勧めします。土地家屋調査士は、可能な限り関係する資料を収集し、現地の状況、関係人の意見、公図や協議書等を参考に信念をもってアドバイスしています。
畦道や溝はだれのもの?
昨今の土地の売買では、境界をはっきりさせておくことが必須のようです。買主にとっては、土地を購入したあとで境界についてトラブルが発生しても、事情がわからないので困ってしまいます。杭を入れるだけでなく測量を行い登記簿面積と実測面積を一致させる地積更正登記までしておくことがもっともよい方法だと思います。

ご質問にある畔道や溝ですがその部分が法務局備付けの地図にどう表示されているかによって立会者が違ってきます。もし畔道が赤色、溝が青色で着色されているのならそれは「里道」や「水路」であり、どちらも官有地です。地区土木委員または、地区総代さんや水利代表の人に立ち会ってもらったうえ、官公庁と官民境界協定を結ぶことにより境界が決まります。

逆に里道や水路の表示がない場合、畔道や溝は、民有地ということになります。お互いの土地を出し合っているのか、どちらかの土地の一部のなのかは対面地の所有者との話合いになるでしょう。おたずね部分が民有地であったとしても田の場合通行や通水に関しては地元の慣習がありますので、地元の役員の人にも立ち会ってもらったほうがよいでしょう。境界に関する調査や手続きは専門家である「土地家屋調査士」に相談されることをおすすめします。
土地の地番がないのですが?
法務局には『登記簿』のほか、その土地や建物の実際の位置や区画などを明らかにする『地図・公図(字限図)』や各種図面が備え付けられています。

所有されている土地の地番が、公図上記載がないということですが、まず法務局であなたの土地の登記簿や地積測量図を確認してください。地積測量図については、地番の発生した年により法務局に備え付けがないものもありますが、これらが確認できれば、あなたの土地はなくなってしまったということは考えられません。

公図(字限図)は測量技術が未熟であった明治時代に作製され、現在に至るまで分筆や合筆といった土地の異動に伴い修正されていますが、ごくまれに未修整のまま分筆した地番が記載されていないことがあります。公図に地番を記載する方法は管轄法務局に地図訂正の申し出をする必要がありますが、これには慎重な調査が必要であり、証拠となる物証や人証が要求されます。また、手続きには専門的な判断と技術を必要としますので専門家である土地家屋調査士に依頼されることをお勧めします。

地図訂正については、ほかにもいろいろなケースが考えられますので、詳しいことは土地家屋調査士にご相談ください。
土地の図面はどこに?
図面は法務局にありますが、法務局に備え付けられている「図面」には次のようなものがあります。

(1)地図 (2)地積測量図 (3)建物図面

(1) の地図の中には、実際に測量され500分の1の縮尺等で描かれている 「法第14条地図」と、土地の並びや形状を表した「公図」や「字限図(地図に準ずる図面)」があります。
(2)の地積測量図は、土地の表示登記、地積の変更、更正登記、分筆登記な  どに添付される図面のことで、縮尺に基づいて実際の形状や求積方法が明らかにされています。
(3)の建物図面は、主に建物を特定するためのものですから土地の境界の特定にはあまり参考になりません。

土地の図面ということなので(1)と(2)の図面を閲覧し、あなたの土地の形状、お隣の土地との接続関係など見てください。もし、(2)の図面がある場合、新しいものならばその境界の位置が、また、古いものでも、ある程度の間口、奥行きなども解かるでしょう。

これまでおおざっぱに述べてきましたが、法務局に備え付けられている図面にも古いものからつい最近のものまでいろんな年代のものがあります。古いものの中には、今ままで必要とされている手続きを省略して作られているものや、精度の悪いものもあります。境界の特定には図面がとても大事ですが、過去から現在に至るまでの土地の状況や証言等、あらゆる要素を加味した上で考えなければなりません。
地目変更登記の申請?
市街化区域にある農地を、宅地など他の目的に利用するためには、事前にその農地の所在する市町村の農業委員会に農地転用の届出が義務づけられています。
農業委員会への届出だけでは土地登記簿の地目は変更されません。地目変更などの登記事務は、農業委員会や県・市町村
ではなく、それとは別の機関である法務局がおこなうからです。
地目変更など不動産の表示に関する登記については、その不動産の物理的状況を登記簿上明確にするためされるものであり、その制度の趣旨を徹底するために、不動産登記法は一定の種類の登記について、所有者に登記申請を義務づけています。
土地の地目変更登記もこの一定の種類の登記に含まれており、現地の地目(利用状態)が変更した時から1ヶ月以内に申請しなければなりません。(不動産登記法第37条)

あなたの土地も、登記の上では、田、畑であっても、現に住宅が建築され利用状況が変更されていれば、宅地として明らかであり地目変更登記するについて問題はありませんので、ただちに管轄法務局に申請してください。土地の造成工事をする前に農地転用の届出を、工事が完了し利用状態が明らかになってから地目変更の登記申請を・・・と覚えておいてください。
共有土地の分筆登記
登記簿上での一つの地番が付いている土地を「一筆の土地」といいます。
例えば、一筆の土地を共有持分で相続された場合、ブロック塀で区画し、個々が別々に使用しているからといって土地は2筆になったものではありません。2筆の土地に分けようと思えば法務局の登記簿を2つ作る登記を申請しなければならないのです。
このことを分筆登記といいます。たとえば今まで「5番」という一つの土地を2筆に分筆すれば「5番1」、「5番2」という2つの登記簿ができます。しかし、これだけではそれぞれの土地の所有権は当初の共有持分のままです。キュウリとたまごの入った一本の巻寿司を2本に包丁で切ったときと同じです。キュウリ巻とたまご巻を作ろうと思えば中身を入れかえなければなりません。これは分筆登記のあと、それぞれの持分を共有物分割による所有権登記をしてはじめて各々単独所有の土地が出来上がります。
分筆登記については、正確な測量技術と専門的知識をもつ土地家屋調査士が業務としています。詳しいことはお近くの土地家屋調査士にご相談ください。
宅地?雑種地?
土地の地目は、田・宅地・山林など23種類に区分して法律に定められており、また地目ごとに詳しく定義されています。「宅地」とは、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地と定義されており、「雑種地」とは、田・宅地などの法律で定められた特定の地目のいずれにも該当しない土地と定義されています。「雑種地」の具体例としては、露天駐車場、資材置場などが該当します。

地目を定めるには、土地の現況および利用目的に重点を置き、部分的に僅少の差異の存するときでも、土地全体としての利用状況を観察して定め、その用途が一時的なものでなく、将来にわたり継続するものであることを確認した上で定められます。
例えば、所有地に賃貸のアパートを新築して、隣地に居住者用の駐車場を設けた場合、駐車場部分だけから判断すれば「雑種地」といえますが、アパートの居住者が利用するとのことですから、アパート維持・効用上必要な土地であると判断できます。よって、建物の敷地と駐車場が、ブロック塀などにより判然と区別されることなく一体的に利用されるのならば、アパートと駐車場の規模なども考慮した上で、「宅地」と判断できるでしょう。ただし、「雑種地」と判断できるような場合であっても、全体が一筆の土地である場合、法律では一筆の土地に2種類以上の地目を定めることを認めていないため、分筆登記が必要となりますのでご注意ください。詳しくは表示に関する登記の専門家である土地家屋調査士にご相談ください。
登記面積と実測面積が一致しない。
登記面積というのは、その土地が区画整理・土地改良・国土調査等が実地された土地もしくは地積更正・分筆登記により手続きされた土地でないかぎり実測面積と一致していない土地がほとんどであります。よって、あなたの土地がこのような手続きがされていないのであれば、その原因は今から100年前の明治時代にまで遡ることになります。

明治政府は、明治初期の地租改正事業により、皆さんの土地から税金を徴収する資料とするため全国を測量させました。このときの測量された面積が現在の登記面積となっている土地がほとんどであります。よって、明治初期の測量技術が未熟だったことが大きな原因のひとつになっているといえます。当時の測量は村の有識者が所有者の立会のうえ測量したとされています。その測量というものも縄を用いて行われ、不整形な土地の場合は目見当で大体同じ面積となるような長方形や正方形になおし、縦・横の寸法を縄で測定していました。また、縄を強く張ってもたるむことを考慮し、実際の測定寸法よりも多少差し引くのが習慣となっていたようです。
このような方法により面積を測量しているため実際の面積との誤差が出るのは当然といえるでしょう。もう一つの原因として、この測量による面積が、税金に大きく影響してくることから、税金を安くするため意識的に過少申告した土地が多いといわれています。しかし、土地によっては検査により面積を訂正されたところもあり、すべての土地が登記面積と大きく相違しているとはいえませんが、一般的にはこれらのことを考慮すると実測面積が大きくなるというのは通常だといえるでしょう。
数筆の土地を一筆に
数筆の土地を一筆にすることができます。この登記のことを「合筆登記」といいます。この合筆登記ができる条件にはいろいろありますが、例えば、

(1) 町名や字(あざ)が同じ。
(2) 地目が同じ。
(3) 所有者が同じ。

以上が主なものですが、担保がついている土地と付いていない土地は合筆できません。担保がついた土地どうしでも、合筆する前には条件が必要となっています。町名や字が違う場合はどうしようもありませんが、地目が異なっている場合でも地目変更登記ができれば同一地目になります。合筆後の地番は数筆の土地中で一番若い地番となり、地積は登記簿上の地積全部を合計したものとなります。

登記事項証明書が必要になる場合は手数料も一筆ごとにかかります。筆数がたくさんになれば、ばかになりません。合筆登記されることをおすすめしますが、他の細かい規則もありますので、詳しくは専門家である土地家屋調査士にご相談ください。
土地の一部の売買
土地の一部を売買したときは、その部分を明らかにし、分筆登記をしたのち、その部分についての売買による所有権移転の登記手続きをしておく必要があります。この手続きを怠ると後日の紛争の原因となることが多いようです。

土地分筆の登記申請は土地家屋調査士が皆さんに代理して行うことができます。まず、法務局等の台帳を綿密に調査したのち、分筆前の土地全体の境界を確定する必要があるので隣接地所有者と立会をし、境界を確認、測量します。隣接地が公有財産(道路・水路等)等であるときは、その管理者と立会をし、境界の確認をします(官民境界協定といいます)。その他、県あるいは市町村管理の土地である時は、その管理担当者との立会を必要とします。必要があれば、地図訂正等に必要な書類を作成し、土地分筆登記を申請します。

ここまでが土地家屋調査士の業務となります。分筆登記完了後、売買した部分について所有権移転登記の申請をすることになりますが、これは司法書士の業務となります。土地分筆登記は、場合によっては大変時間がかかることがありますので、このような場合はすぐに土地家屋調査士にご相談されるのがよいでしょう。詳しくは表示登記の専門家である土地家屋調査士にご相談ください。
境界確定訴訟とは?
境界とは一筆の土地と、これに隣接するほかの一筆の土地を区画する線をいい、登記法上で筆界ともいいます。

土地は、境界で区画され、地番を付され所有権の対象となりますから境界は、所有権の範囲と一致するのが原則ですが、土地の占有状態や利用状況により、所有権の範囲と境界は、常に一致するものとは限りません。境界が判明しないために生じる紛争は、所有権の及ぶ範囲の争いである場合がほとんどですが、所有権の及ぶ範囲の確認とは別に、境界自体を確定するための訴訟を境界確定訴訟といいます。

所有権の範囲の確認を求める所有権確認訴訟では、裁判所は当事者の申立てに拘束されるほか、原告が所有権の範囲を証明できなければ、その請求は棄却されてしまうため、境界紛争が解決されない結果に終わってしまうことがあります。

境界確定控訴は、所有権確認控訴とは異なって裁判所は、当事者が主張する境界線に拘束されることなく、境界を確定することができ、境界が証拠上明らかにならない場合でも、必ず境界を確定しなければなりません。

また、当事者も境界を定めるための和解はできない特色があります。紛争当事者にとっても、境界が明らかにされることによって所有権に及ぶ範囲に関する紛争を解決する基準が与えられるということができます。

しかし、できれば控訴することなく話し合いで解決できることが最善の方法です。土地家屋調査士からのアドバイスは、自己の主義主張に囚われず、公的な境界資料を調査し、相手の主張も理解したうえで客観的に判断することが重要です。
農地をやめて駐車場にしたいのですが。
土地の用途を変更すると1ヶ月以内に地目の変更をしなければなりません。この場合地目【田】または【畑】から駐車場(登記用語で雑種地)に変更することを要します。ただし自分の土地だからといって田や畑の場合何をしてもよいわけではありません。事前に各市町村役場の農業委員会に駐車場にしたい旨の届け出をしましょう。
お隣さんから土地の境界確認を求められました。どうすればよいですか?
土地の境界はお互いの財産です。あなたの財産を守るためにもぜひ協力しましょう。お互いの境界が無事確認できればこのとき境界確認書を取り交わしましょう。境界はあなたの代で消滅することはありません。お子さんまたは孫ひ孫と境界線を設置し、延々生き続けます。境界紛争防止のためにぜひ協力をお願いします。
土地の一部を隣の方に売りたいのですが、どのようにしたら良いのでしょうか?
その土地が現在どのような状態かを調べなければなりません。一つの土地と思われていても、 筆数が二筆以上あることも多いのです。通常は、その土地の境界を土地家屋調査士に依頼し、境界の確定を行います。その後に、測量・土地の分筆登記を行います。分筆登記が終われば隣の方への売却となります。
亡父親の土地を、兄弟で分けたいのですがどうすればよろしいのでしょうか?
この場合は相続が関係しますが、通常は亡父親の相続人全員から分筆登記を申請いたします。遺産分割協議書に基づいて分筆した土地はその後に個々の名義人に変えるようになります。ただし、今回のような場合には相続が関係しますのであわせて司法書士に相談しても 良いでしょう。
登記ができる土地ってどのようなことですか?
不動産登記法上に言う土地は 日本領土内の私権の目的とすることが認められる地表で、人為的に区画された一定の範囲をいいます。 常水面下にある土地は、私権の目的とならないので 登記はできません。 ただし、私権の目的として利用する池沼、ため池は登記ができる土地です。

建物に関する質問

建物の「表示に関する登記」とは?
建物の「表示に関する登記」とは、その建物の所在をはじめ家屋番号・種類(用途)・構造・床面積などについて正確な実際の状況を登記簿上に明確にする登記のことで、「土地家屋調査士」だけが所有者にかわって法務局に申請手続きをすることを業務としています。具体例をあげて説明しますと…

(1) 建物を新築したとき  建物を新築したり、未登記の建売住宅を買ったときには、1ヶ月内に「表題登記」の申請をします。
(2) 建物を増築したとき  建物が狭くなって、既存の建物に増築したときには、1ヶ月内に表示に関する変更の登記を申請します。
(3) 建物を改築したとき  建物の種類・構造を変更したとき、例えばスレート屋根を瓦葺にしたり、木造部分の一部を鉄骨に取り替えたり、居宅を店舗に変更したような場合には、1ヶ月内に表示に関する変更の登記を申請します。
(4) 建物を取りこわしたとき  建物の全部が焼失したり、全部を取りこわしたときには、1ヶ月内に「滅失登記」を、一部を取り壊したときには、1ヶ月内に表示に関する変更の登記を申請します。
(5) マンションを新築したとき  マンションなどの集合住宅を新築して、それぞれ区分所有する場合には、1ヶ月内に区分建物の「表題登記」の申請をします。  以上、おもな例を書いてみましたが、他にもいろいろな登記申請があります。詳しいことは土地家屋調査士にご相談ください。
新築登記を怠ると?
不動産登記法では「建物を新築したる時は、所有者は1ヶ月内に表題登記を申請する事を要す」と定めています。

表示に関する登記は権利の登記と違い、土地または建物の物理的状況を登記簿上に常時明確に公示するものですから、そ
の方策として不動産の所有者に登記の申請義務を課しています。また、この登記を怠った時は10万以下の過料に処すとの罰則規定もあります。
罰則が実行されるかどうかにかかわらず、大切な不動産に自己の登記を為しておく事はトラブルを未然に防ぐ最良の方法です。
年月が経ってから登記の必要に迫られた時、申請に必要な書類が集められなくて困る場合があります。建物表題登記には、建築確認書と検査済証、建築請負人の証明書、その他の書類が必要になりますが、あとになるに従って書類の紛失や請負人の所在不明という事態も起こり、結果として登記に時間と費用を要してしまうという事になりますので、すみやかに表題登記されることをお勧めします。
仮換地上の建物登記?
区画整理の工事が行われると、以前の土地は形質が変更され整然とした町並になります。以前の土地のことを「従前地」と呼び、これにかわってあらたに与えられる予定の土地を「仮換地」と呼びます。仮換地に建てた建物も登記しなければなりませんが、法務局においては、地図や登記簿は以前のままです。換地処分が完了してはじめて区画整理の図面が地図として備え付けられ、新しい地番のついた登記簿ができます。

法務局では、地図に基づいて建物の所在地番を登記しますので、建物の位置が工事前のどの土地の上にあるかにより地番が特定されます。この土地のことを「底地」と呼びます。区画整理事業では道路や公園等を新設する関係上、従前地と仮換地の位置はほとんど一致しませんので、結果として他人名義の土地が所在地番として表示されます。しかし、将来、自分の所有する土地として登記される予定の仮換地の番号も併記する事になっていますので、換地処分中であることが明示されますので何の支障もありません。
登記簿の表示と登記事項を一致させるには?
建物登記簿の表題部には、その建物が存する所在、家屋番号、種類、構造、床面積及び所有者等が記載されていますが、これらに変更または更正等があった時には、その登記を申請することが必要です。原因として、
(1) 古い建物を取り壊して新しい建物を新築した。
(2) 建物に一部取り壊しや、増築等、手を加えた。
(3) 登記に誤りが有る。
などが考えられます。
(1)の場合には、古い建物の滅失登記の申請と、新築建物の表題登記の申請をすることが必要です。
(2)の場合には一部取り壊しまたは増築による建物の表示に関する変更の登記を申請することが必要です。
(3) の場合には建物の表示に関する更正の登記を申請することになります。

いずれの場合も工事施工者の証明書や、図面等を提出することが定められていることがあるので、専門的な知識が必要となります。このような手続きは、土地家屋調査士が皆さんの代理人として行うことができます。登記が完了するまでには、たいへん日数がかかることもありますので、不動産の表示に変更が生じたときや、誤りを発見したときは、速やかに土地家屋調査士にご相談されることをお勧めします。詳しくは表示に関する登記の専門家である土地家屋調査士にご相談ください。
区分所有建物とは?
簡単な例をあげると、分譲マンションなどが『区分所有建物』にあたります。『建物の区分所有等に関する法律』の第1条に「一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立した住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところより、それぞれ所有権の目的とすることができる。」とあります。この様な登記をされた建物を『区分所有建物』、『区分建物』などと呼びます。

区分建物の表題部の登記形態は、一般の一戸建て住宅などの登記と異なり、『一棟の建物の表示』と『専有部分の建物の表示』に大別されます。『一棟の建物の表示』には、一棟の建物全体の所在、建物の番号、構造、床面積が登記され、『専有部分の建物の表示』には、独立した部分の家屋番号、種類、所有者等が登記されます。   そしてこの後に所有権や抵当権等の権利の登記がされることになります。表題部には他に、『敷地権の目的たる土地の表示』や『付属建物の表示』、『敷地権の表示』等が登記される場合もありますが、詳しくは表示に関する登記の専門家である土地家屋調査士にご相談ください。

分譲マンションなどが「区分所有物」にあたり、その表題部の登記形態は一般の一戸建て住宅などとは異なり、「一棟の建物の表示」と「占有部分の建物の表示」に大別され、建物の所在、家屋番号、構造、床面積の事項が表示されると説明しました。これらの登記の他に『敷地権の目的たる土地の表示』や『敷地権の表示』等が記載されている場合があります。ある土地の上に区分所有建物を所有する場合に、土地について有する権利を『敷地(利用)権』といいます。一般に敷地利用権は、規約に別段の定めがある場合を除き、専有部分と分離して処分することができないことになっています。(一体性の原則)この一体性の原則が適用された区分所有建物は、敷地利用権が、登記された所有権、地上権または賃借権であるときは、建物の登記用紙中表題部に『敷地権』の表示を登記することになっています。つまり、『敷地権の目的たる土地の表示』の欄には、その土地の所在、地番、地目、地積等が記載され、『敷地権の表示』の欄には、その土地について有する所有権、賃借権等の敷地権の種類およびその割合等が記載されます。
前問で確認通知書や工事施工者の引渡証明書を用意するとありましたが、2、30年前に建てた建物でそのような書類もありませんし大工さんも誰にしてもらったか、分かりません。そのような場合でも登記は出来るのでしょうか?
もちろん登記できます。この場合名義になられる方の所有権を証明するものを最低2種類用意しなければなりません。前問のように確認通知書、工事施工者の引渡書もこれにはいります。これ以外のもので建物所有権証明書は固定資産税の評価証明書等、がこれにあたります。詳しくは土地家屋調査士にお気軽にお問い合わせください。
建物を登記するにはどのような要件を満たさなければいけないのでしょうか?
建物の認定基準には、【1】土地の定着物であること 【2】屋根および周壁又はこれに類するものを有すること 【3】その目的とする用途に供し得る状態にあること 【4】取引性を有すること。この4つが主な基準となります ただし建物として取り扱われないものも有りますので、注意が必要です。(例 ガスタンク、機械上に建設した建造物、浮船を利用したもの・・・等)
自己所有の土地に存在しないはずの覚えのない建物が登記簿にあります。このような場合どうすればよいですか?
このような場合利害関係人(土地所有者等)から建物不存在の申出をすることができます。
建築確認通知書はとっていますが通知書の設計と現物の建物とは違う建物を建ててしまいましたが登記はできますか?
もちろん登記できます。建物表題登記は現況主義で登記することになります。しかし建築確認通知書は所有権証明書の一部となりますので軽微な変更(屋根の種類、軽微な床面積の増減等)はそれほど問題にはなりませんが大規模変更(外見を変えて部屋を増やした等)は現物建物と確認通知書と同一性がないと判断される場合がありますので注意が必要です。この場合は、確認通知書に替わる所有権を証明するものが必要とされます。詳しくは土地家屋調査士にご相談下さい。
建築確認通知書を主人名義でとりました。しかし私も資金を出していることもあり建物登記の際共有名義にしたいのですが?
もちろん登記できます。この場合確認通知書申請の際なぜ単独名義にしたのかという上申書を添付しなければなりません。
上申書といってもむずかしくはありませんのでお気軽に土地家屋調査士にご相談ください。
私は、このたび亡父名義の土地を相続したのですが、その土地には亡父が取毀した建物が滅失登記されず残っていることが分かりました。相続人の中には遠方にいる者もいるため、相続人全員で申請するのは困難なのですが、私単独で滅失登記を申請できるのでしょうか?
建物が取毀されたときは、取毀工事が完了したときから1ヶ月以内に建物滅失登記を申請することが法律で義務づけられています。一部の例外を除いて、建物を取毀しても滅失登記を申請しないかぎりいつまでも登記簿上に存在することになります。
登記記録を調べると、相当以前に取毀された建物が滅失登記されずに残っているのを見かけることがありますが、こういったことはトラブルの原因となることもありますので、現物がなくなっているから問題ないとは考えずに、工事が完了すれば一定期間内に滅失登記を申請するのは大切なことです。
ご質問の場合ですと、その土地の上に建物がないということですが、登記建物を他の場所に移動させた事実がないか等十分な調査したうえで、そういった事実がないと確認できれば滅失登記を申請することになります。
申請人については、滅失登記の申請義務を亡父より承継している者として、相続人の一人であることを証明する書面(戸籍等)を添付することにより単独で申請することができます。詳しくはこれらの専門知識を有する土地家屋調査士にご相談ください。